どうも皆さまこんにちは。
なかなか更新できませんが、引き続きエンジン分解の作業紹介します。
本日はオイルポンプの取り外し。
オイルポンプは文字通りエンジンの潤滑に必要なオイルを送り出す、とっても重要な部品です。
オイルフィルターの左にある、銀色の円筒形のユニットがオイルポンプです。
場所と形状は、兄弟車のスポーツスターとほとんど同じですね。
底から見た感じ。
シリンダー同様、ハーレーの刻印がありますね。
オイルポンプは蓋の固定ボルトも兼ねている銀色のヘックスボルト2本でクランクケースに固定されています。
蓋を外す場合(そんなことまぁないでしょうけど・・・)は、更に2本の黒いトルクスネジを取り外す必要があります。
蓋を外したところ。
buell XBのオイルポンプは世の多くの車・バイクと同様、トロコイド式。
ただ、ドライサンプ式のエンジンなのでオイルポンプはフィードポンプ(送り)とスキャベンジングポンプ(戻り)の2つ存在します。
蓋を外して見えるのは、フィードポンプの方。
2つのオイルポンプは同軸で駆動されています。
オイルポンプはクランク軸の回転で駆動されます。
クランクシャフトについているスクリューみたいなギアがドライブギア。砕け散る恐れがあり、高年式では真鍮製の対策品に切り替えられたアレです。
クランク軸と直角に位置する軸がオイルポンプの駆動軸。
蓋の裏側はこんな感じ。
こちらは送り側のポンプですが、オイルタンクからきたオイルは蓋の左側から蓋内部の左側の溝に入ってきます。溝の中のオイルはオイルポンプのローターで右側の溝に送られ、蓋右部からオイルフィルターへと送られます。
オイルポンプユニットは2階建てになっており、下部にフィードポンプ(送り側)が、上部にスキャベンジングポンプ(戻り側)があります。
写真左側の薄っぺらい方がフィードポンプで、右側の分厚い方がスキャベンジングポンプ。
オイルタンクにオイルを戻すポンプの方が遥かに容量が大きそうです。でもまぁ、送り側と違って戻り側はエアとか噛んで常に一定の量を回収できるわけではないでしょうし、そんな環境でもしっかりオイルを戻さないとそれこそクランクにオイルが溜まりまくってしまうので、それも当然でしょうか。
両者の間は写真中央のプレートで区切られていますが、このプレートはただ入れられているだけで、シール性を確保するものは何もありません。ということは、少なからず両ポンプの間は微量のオイルが行き来できるような気がするのですが、そんな微量な量は特に気にしなくていいってことでしょうか?
オイルポンプの中心とも言える、このローターの動きがイマイチ実感できなかったので、マジックでマーキングして動かしてみました。写真では反時計回りに動かします。
駆動軸を180°回転させた状態。
内ローターは駆動軸により、そして同時に外ローターは内ローターによってそれぞれ駆動されます。
内ローターは駆動軸と連動して180°動きますが、外ローターと内ローターとでは歯数が異なる為、180°も動いていません。
更に180°回した状態。
内ローターの歯数は8、外ローターの歯数は9なので、1回転で1山分ズレが生じるように動きます。
この歯数の違いと、微妙に回転軸が中心からズレていることでローター内には常にある部分だけ空間が生じる訳です(写真ではローターの下側)。
この空間はローター1回転の間に徐々に増加し、徐々に減少していくので、この空間を利用してオイルを搬送するのです。
(分かりにくかったら、オイルポンプの蓋裏側の写真を合わせて見てネ!)
you tubeなんかで検索すると、カットモデルでの作動イメージの動画もあったのでとても理解しやすかったですよ。
いやぁ、この構造を考えた人はすごいですねー。
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