
前々から気になっていたプラスチック感丸出しで超趣味じゃないスイッチボックス。
スロットルホルダーを社外の
AMAL364タイプスロットルホルダー
に交換するついでに、この純正スイッチボックスも別の物に交換して質感をアップさせてやることにしましょう。
とはいうものの、スイッチボックスという部品は社外品ではそうそう種類があるものではありません。
元々が機能的な部品なので、ここを改造する場合は簡略化したりすることが大半なのでしょう。小型のものはたくさんありますが、機能を維持したまま、というものはほとんど見かけません。
今回は使いやすさもそのままに質感のアップを狙いたいので、他メーカーの純正部品を流用します。
流用するのはレトロチックな見た目が私好みな、YAMAHA SRのスイッチボックスです。

まずは純正のスイッチボックスを分解して、各種配線の色と、スイッチの構造をチェック。
配線の色だけならサービスマニュアルの配線図で分かるのですが、それがどう繋がっていて、スイッチを操作すると電気的にどうなるかは実際に見てみないとわかりません。

へー、ここの構造ってこうなってなんだー・・・
とかブツブツ呟きながら、チェックしたことをマメにメモっていきます。正直、メンドクサイ作業ですね。

お次は、移植するSRのスイッチボックスを同様に分解、チェック。

SRの方はボディがアルミ製で見た目の質感が良いのですが、中身に関しても各部の造りがしっかりしていて、お金が掛かっているような印象を受けました。
こういうのも、分解して比較してみないとなかなかわかんないですよね。

XB9Rのスイッチボックスと、SRのスイッチボックスとではもちろんいろいろと仕組みに違いがあるんだけど、最大の違いはホーンボタンの仕組み。
XB9Rの方は単純な電気的なON-OFFなのですが、SRの方はホーンのマイナス側のアースでON/OFFを切り替えているのです。
つまり、XB9Rのハーネスにこのスイッチボックスをそのまま装着してホーンを鳴らそうとすると、アース回路にプラス電流を流すことになってしまうのです。
そんなことをしたら、当然ヒューズは飛んじゃいますので、このままでは使用できません。
こういう仕組みはスイッチボックスのボディが金属製だからこそできる構造ですね。
スイッチ自体にアース線が不要になるので、なるほど、スイッチ自体は小型化できるメリットがありそうです。

この仕組みのスイッチボックスを使用できるようにする為、ホーンのON/OFFをアース制御に変更。
フロントカウルをひっぺ剥がして配線を加工します。

配線のチェックが完了したので、SRのスイッチボックスをXB9R用に組み直し。
本来は右のスイッチボックスに組み込まれているセルモーターのスイッチなんかも、こちらのスイッチボックスに組み込み直します。
AMAL364タイプスロットルホルダー
を使用すると右側スイッチボックスは無くなっちゃうので、必要なスイッチ類は全てこちらのスイッチボックスに統合することになるのです。

配線カバーも純正以上のクオリティに仕上げる為、
NAMZのワイヤーカバー
を使用。
配線カバーは社外でいろいろありますが、この網網タイプは幅広い範囲の太さに対応できるので重宝しています。
今回は8本程度の配線をカバーするのに1/2サイズを使用しましたが、あと1~2本程度ならいけそうな感じ。

綺麗にできました。
端部はちゃんとハーネステープで処理。以前はホームセンターで購入したビニールテープを使ったりもしていましたが、ビニールテープは後々ベタベタするので絶対に使わない方が良いです。
今回は
ポッシュのハーネステープ
を使ってみました。
表面に少し毛羽立ちのあるフェルト地タイプで、手で簡単に切れるという特徴があります。配線作業をしている時にわざわざハサミに持ち帰るのって地味にメンドクサイんですよね・・・。

完成!
もちろんコネクタ(カプラー)は純正同様AMPタイプのマルチロックコネクタなので、純正ハーネスにポン付けできるようにしました。
AMPタイプのターミナルはハーレー各車と共通なのでディーラーに行けば入手できますが、
デイトナのAMPコネクター補修用ターミナル
がお手軽に入手出来て便利。

車体に装着。
動作確認をしながら作業を進めていたので、もちろん動作はばっちり。
このバフ掛けした鈍い輝きは、アルミ製ならではの特徴ですね。

グリップもIKWORKSの製品に交換。
グリップとスイッチボックス共に質感はグッと良くなったのですが、こうなるとビレットの機能的なクラッチレバーが激しく浮いているのが気になりますね。
スポスタのクラッチケーブルが流用できるよう、クラッチレバーはホルダー毎マグラの製品に交換しようと計画中だし、ここはしばらく我慢しましょう。